こんにちは。
今回のお話は
『赤い池を見たことがありますか?合鴨農法とアゾラ・クリスタータのお話』
というこで
ほんの少しだけ野鳥話と関係無いような、あるようなお話のご紹介となっております。
そもそも合鴨農法は読んで字のごとくなんとなくわかるけど・・・・
アゾラ・クリスタータってなんだよ( ゚Д゚)!!
と思う方もおられるかと思います。
見たことありませんかね❓
なんか池が水草で真っ赤になっている現象を・・・。
写真でいいますと

このような上記写真のような状態の池です。
これ真っ赤な部分は本来は池なのですが、池の水が見えないほどに赤い水草で覆われているのです。
今回探鳥に行っている際に物凄く気になって家に帰って色々と調べてみたので
今回はその真っ赤な水草の正体と
この水草の正体を突き詰めていくにあたって、自身が住む県の岡山大学が研究にあたっていた
合鴨農法と呼ばれるオーガニック農法がどうも関連があるそうなので
今回は、そのレポートと言いますか、この赤い水草のお話と共に
撮影した野鳥写真をご紹介したいと思いますので
本日も最後までご購読よろしくお願いします(*^-^*)
アゾラ・クリスタータって❓
それではザザッと今回調べたものを列挙していきたいと思います。
今回調べるにあたっての参考文献は
国立研究開発法人・国立環境研究所 侵入生物データベース。
公益財団法人 日本環境教育機構
環境保全型農業における合鴨農法の調査研究報告~将来の食農教育も含めて~
から抜粋したり、文言をお借りしてお届けしたいと思います。
それでは早速参ります。
冒頭でもお話した赤い池の正体。
それは
特定外来種に指定されている水草が池の水を赤く埋め尽くすほど繁殖したモノです。
和名は
アゾラ・クリスタータ。
維管束植物 シダ植物 アカウキクサ科
自然分布は アジア、アフリカ、南北アメリカ
生息環境は
水田、休耕田、ため池などの止水域などに生息、繁殖し、楕円形の葉の部分は秋になると赤色になり、非常に繁殖率が高い。
生態的特性
開放水面などを覆うように繁殖し、空気中の窒素を固定する藍藻と共生しているため、繁茂すると富栄養化を引き起こす可能性があり、水面を覆う事によって在来種との競合、水面下の水生生物の影響が懸念される。
とのことで
ここで言う富栄養化とは簡単に言うと自然状態の循環よりも多くの栄養分が増えてしまう現象で
栄養が増えることは一見よく思われますが
自然界とは一定の絶妙なバランス感覚にて成り立っていますので
単純に生態系のバランスが崩れる恐れがある。
という事です。
例で言うと、富栄養化が進み、プランクトンが大量に発生して、そのプランクトンが水中の酸素を大量に吸う事により、魚などが酸素不足で死に絶える。
ということがあるそうです。
定期的にニュースで話題になる
赤潮とかもその原理ですね。
侵入してきた年代は1990年。
繁殖する主な要因は、カモ類や渡り鳥などの水鳥が足に植物体を付着させたまま各地に飛来して分布を広げているのではないかと予想されていて
主にお米などを作る際の稲作の方法のひとつ
合鴨稲作農法によるものが主な主要因のひとつであると言われております。
ここでタイトルの合鴨農法に繋がる訳ですね(*´▽`*)

合鴨農法とは~
ここもザックリと行きます。
合鴨農法とは主に1993年に普及したお米の農法のひとつで
主な狙いはコスパと、無農薬。
この時季は農薬に関して消費者が敏感だったことからだそうで
役目の終えた合鴨はその後、食肉用に加工されたりと畜産業にもなる複合農業として注目を浴びたとのことです。
そのはじまりの歴史は古く
平安時代には中国からアヒルや合鴨が渡来し。
安土桃山時代には
あの豊臣秀吉が除虫と番鳥を兼ねて、水田でのアヒルの放し飼いを奨励したと言われています。
ただその後、ちゃんとした農法として確立したのは1960年代以降になるそうで、
日中に水田の虫や草を食べさせ、日が暮れると合鴨たちを小屋に移動させるというのをおこなっていったモノの、農薬中心の農業の発展により、アヒルなどが死んでしまう事から、徐々に廃れていったとのことです。
動きがあったのは1985年。
合鴨除草方が確立され、1990年富山県福光町で開催された『第一回 合鴨除草懇談会』が開かれ、
そこから合鴨農法を実践する動きが全国でも見られるようになったとのことです。
その合鴨農法で用いられた雑草の抑制と窒素肥料の節約として
夏の高温に弱い在来種ではなく、
外国産のアゾラ・クリスタータが用いられたのです。
ここで合鴨農法とアゾラ・クリスタータが
繋がるんですよ( ゚Д゚)!!
この合鴨農法の利点は
最初にお伝えしたように
無農薬農法でおこなえ、
雑草や害虫を合鴨がごはんとして食べてくれるのでエサ代もそこまでかからずにおこなえる。
合鴨が水田を泳ぐことによって水は濁り雑草が生えにくく、またフンなどが肥料となること。
これは僕の推察ですが
地産地消だったりのイメージアップと言いますか、心象が良いという所かと思われます。

合鴨農法。岡山大学方式の確立
合鴨農法は、様々な観点の妥当性から普及しつつある農法として注目を浴びていたのですが
主に2点の問題点を抱えていました。
一つ目は
飼育管理システム。
カモを水田内で成熟体重まで外敵(カラス・イタチ・キツネなど)から守りつつ、飼育する場所の選定や餌やりなどが農家さんの精神的にも肉体的にも辛い点。
2つ目は
ヒナの育雛管理の省略可。
アヒルや合鴨の飼育経験のない稲作農家にとって雛を育てるのは容易ではなく、管理業務の一環となっているので、それもまた精神的にも、肉体的にも辛いとのことです。
この両方の課題をクリアしたのが
岡山大学方式と呼ばれる方法で
合鴨農法の生産管理システムの開発をおこなうべく1994年から岡山大学農学部付属山陽園フィールド科学センターは
水稲穂食害のメカニズムを明らかにし、
生まれたての雛の耐水性の検討を1998年におこない、その結果0日齢の雛でも合鴨農法に適していることを実証したそうです。
簡単に言うと
今までは
ある程度の大きさにならないと水田に離せず、その間は水田に慣らしたり、体調管理をしたりと労していたが、
いきなり水田に放てることが実証できたという事です。
これにより農家の方の負担は少なくなったという訳です。
ザックリでしたがこんな感じでございます。
以前投稿していた
という記事があるのですが
この記事に登場するアオクビアヒル達やアヒルなどは
この合鴨農法などで役目を終えて、近くの農家さんが引き取って放し飼いになった子たちではないのかなぁ~🤔
というのも考えられました(◎_◎;)
これはあくまでも推察ですが
恐らく当たりではないのかなぁ~と思ってます(*´▽`*)

おわりに
いかがでしたでしょうか(*´▽`*)❓
あまり野鳥とは関係ないと言えば関係ないお話だったかもしれません。
ただ今後もこういった赤い水草アゾラ・クリスタータに覆われた池を目にする機会があるかもしれません。
そういった際に、お子さんやお孫さんや誰かに聞かれた際に
『これはね、アゾラ・クリスタータと言って・・・』
と言いながらちょっと語って見ると、
『おじいちゃん、すげぇ!!!』
『おばぁちゃん、物知り!!』
ってなるかもしれません(笑)
もっと詳しく知りたい方は貴重な資料などが沢山インターネット上に記載されておりますので
是非とも文献に目を通して見てください。
それでは本日も最後までご購読いただきありがとうございました(^^)/

コメント